一般社団法人島根県森林協会「森林を育てて 地球を守ろう」

森林づくりへの取り組み

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「山を育て 山を生かす」 取り組みについて

邑南町

1. はじめに

邑南町は島根県のほぼ中央に位置し、 南側は広島県に接しています。
人口は約1万2千人ですが、 面積は419.2平方キロで東京都特別区のおよそ3分の2にあたる地域を有しています。
中山間地に代表的な盆地の多い地形で、 そのほとんどは標高100〜600メートルの地域となっており、 一部800〜1000メートル級の急峻な地形も分布しています。

これらの山々を源として発する、 町内の河川には清流に棲む特別天然記念物 「オオサンショウウオ」 が生息しており、 川で直接観察するためのハンザケ観察舎や展示、 保護研究を行っているハンザケ自然館を開設しています。

2. 「山を育て、 山を生かす」 取り組み

町の総面積のうち森林面積は362.6平方キロで、 林野比率は86.5%となっています。
所有形態別では国有林が11.1平方キロ (3.0%)、 民有林が351.5平方キロ (96. 9%) で、 森林の管理は民有林が中心です。

戦中戦後の乱伐により荒廃した奥地水源地域の再生のため、 昭和30年代から公団造林、 県公社造林、 町
行造林などの造林事業に積極的に取り組んできたことから、 人工林は147. 2平方キロで人工林率は42%に達しています。

一方、 山林のもつ多面的な機能の維持には、 自治会などの地域力の活用が不可欠です。
島根県の 「みーもの森づくり事業」 などの具体的な取り組みについて情報発信をしながら、 市民ボランティアなどの協力を得て、 担い手の多様化と新たな地域維持の仕組み作りにも取り組んでいます。

このようにして生産をされた地域産材の多くは、 町内に立地する木材共販市場に集まります。 近年住宅の新築着工戸数の激減により県内の市場取扱量が減少する中、 取扱量を維持していますが、 製材品の地域内需要が限界に来ていることから、 新たな販路拡大の取り組みが求められてきました。

そこで本町では平成22年3月邑南町地産地消推進条例を制定し、 これに続いて平成24年3月には邑南町木材利用基本方針、 邑南町木材利用行動計画を策定しました。

これらの取り組みを通じてこの間に建設をした 「邑南町瑞穂支所庁舎」 「若者定住住宅」 など町営施設では90%を越える町産材使用率を達成し、 町内の社会福祉法人が建設をした保育所などでも町産材が多く使用されるようになってきました。

今後は今年度スタートする木材利用ポイント制度の普及によって、 民間住宅での町産材使用の普及に力を入れていきたいと考えています。

また、 町内では毎年300haほどの間伐が行われています。
しかしながら間伐された木の多くは搬出されず、 林内に放置されてきました。

細い木や曲がった木は搬出しても採算が合わないため放置されてきたものですが、 近年の再生可能エネルギーへのシフトによって林地残材をエネルギーとして活用する環境が徐々に整ってきました。

そこで地域住民による林地残材集荷能力などのデータ収集をする目的で、 チップ工場に搬入された林地残材に対して材の買い入れ価格に1tあたり3千円相当の商品券を助成するという制度をスタートしています。

このようにして育てた森は、 「森林経営」 と 「森林管理」 の2つの手法によって、 伐って、 使って、 植えるという邑南町林業循環システムのなかで水源の森としての公益的機能を維持しています。

3. おわりに

邑南町では先日、 前自治財政局長の椎川忍氏をお迎えして職員研修を行いました。
椎川氏は1993年から3年間島根県総務部長を務められた方で、 島根県には大変ご縁の深い方です。

椎川氏は講演の中で 「水道の水を飲むことは私たちにとってごく普通のことだが、 水道の水を安心して飲むことができる国は世界の中に日本を含め20カ国ほどしかない」 という話しと 「ウランや石油はいずれ枯渇する限りある資源であって、 今を生きる私たちがほんの短い間に使い切ってしまって良いものかどうかよく考えてみる必要がある。

次の世代に私たちは代わりのものを残しておくべきではないか」 という話をされたのが印象的でした。

私たちが今こうして取り組んでいることの方向性と、 椎川氏の指摘とに重なる部分をみることができ、今後ますますこれらの取り組みを広めていきたいと感じたのでした。

 

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