島根県は、県土の約8割を森林が占めており、日本でも有数の森林県(森林率全国第4位)です。
そして民有林面積の約4割が人工林で、利用できる木が増えつつあります。

昭和30年代以降、木材生産を目的にマツ、スギ及びヒノキの針葉樹を一斉に植えてきました。

その後、高度経済成長により木材需要が急激に高まり、1960年頃から木材の輸入が始まりました。
木材輸入は年々増加し、平成14年には日本の木材の約8割を外材に頼っていました。
しかし、近年、人工林資源の充実や木材加工技術の向上等を背景に国産材の利用が増加しつつあります。

間伐されない人工林では、もやしのような木が生い茂り、光が届かない林内では、土壌が浸食され、水源涵養や土砂流出防備の機能さえ危ぶまれています。

森林は、二酸化炭素を吸収するとともに、水を貯え、空気をきれいにし、多様な生物を育んでいます。

特に自然災害の起きやすい急峻な地形と浸食を受けやすい地質を持つ島根県では、災害から私たちの生活を守ってくれる森林の役割は極めて重要です。

また、森林に支えられて暮らしている私たち一人一人が、森林を守り育てるという気持ちを持つことも大切です。

森林を健全な状態に保ち、林業を活性化していくためには、間伐など適切な森林施業を行うとともに、「木を伐って、使い、その収益を再び森林整備に投資する『林業の循環システム』を築くことが求められています。

そのためには、林道や作業道など路網は不可欠な施設であり、山地を起因とする災害から暮らしを守るため、治山施設の設置や防災機能の高い森林の整備を進めていく必要があり、以下の事業が実施されています。

森林整備事業

伐採、植栽、下刈り、枝打ち、間伐など樹木を伐って植えて、森林を育てるための森林施業を行います。

治山事業

山地に起因する災害を未然に防ぐため、治山施設の設置や防災機能の高い森林へ誘導するため、森林の保育や改良等の整備を行うとともに、山崩れ等の災害が発生したときは、森林の復旧事業を行います。

林道事業

林産物の搬出や森林の適切な管理など、森林施業や林業経営の効率化および山村地域の活性化等を図るため、道路の整備を行います。